本屋(書店)のアルバイトってどうなの?仕事内容、給料、面白さについて
こんにちは。現役本屋(書店)店員のしまです。
本屋は昔から変わらず人気のあるアルバイトですよね。
今これを読んでくださっているあなたも、本屋バイトに興味があるのではないでしょうか。
この記事では、『本屋のアルバイトの仕事内容、給料、やりがいなど』についてご紹介していきます。
仕事内容
本屋の仕事は、大きく分けてレジ業務と売り場業務の2つに分かれています。
レジ業務
レジの中での業務です。
会計だけでなく、様々な業務があります。
レジ打ち
新しく入ってきたアルバイトの人は、まずレジ打ちからスタートすることがほとんどです。
ひたすら本のバーコードを読み込み、お会計します。
ブックカバーをかけてと言われればブックカバーをかけ、しおりを挟んでと言われればしおりを挟みます。
勤務時間が5時間だとすると、5時間丸々ずっとレジ打ち…
ということも珍しくありません。
「本屋でアルバイトを始めたけど、1週間でやめた……」
という人たちの中には、レジ打ちばかりで業務内容が自分の理想と大きくかけ離れていたことにがっかりしたという人もいるのではないでしょうか。
文具や雑貨が置いてあるところもありますが、基本は本の時と流れは変わりません。
本屋といえば図書カードの販売もあります。
図書カードは普通の本の販売と違うマニュアルがある本屋も多いです。
模擬試験や資格試験の受付を行っているところもあり、単純にレジ打ちといっても業務内容は多岐にわたります。
レジ内の業務を一通り覚えることができて、ようやく半人前です。
ブックカバーや図書カード包装紙の制作
文庫本などを買うと「カバーおかけしましょうか?」とよく聞かれますよね。
客側のときには何気なくつけてもらっているブックカバーも店員が一枚一枚折っています。
レジ打ちの合間に折ることが多いです。
よく売れる本(文庫、新書、文芸書など)のサイズに合わせて紙を折っていくだけですが、すぐになくなるのでひたすら補充します。
既存のカバーサイズに合わない本へのカバーを希望された際には、その場でカバーを折ることもあります。
似たような業務に、図書カード系の包装紙を折る作業もあります。
ブックカバーほど単純に折れるものではないので比較的空いている時間帯に勤務している人が折っていることが多いです。
こちらも年度初めや終わりに大量になくなっていくためひたすら補充します。
プレゼント包装
サービスの一環としてラッピングを取り入れている本屋も多いです。
誕生日プレゼントやお見舞いに本を買っていく人も多く、そういった本のラッピングを行います。
特にラッピングが多くなるのがクリスマス前です。
クリスマス前になるとラッピング特設会場という場を設ける店もあるくらい。
ワンピース全巻ラッピングなんて注文もザラにあります。
「ラッピングなんてできそうもないよ~」
という人は、クリスマス前にバイト応募するのはやめましょう。
お客様からのお問い合わせ受付
本屋は店舗の中に膨大な数の書籍が陳列されています。
その中から自分のお目当ての本を探すのは重労働です。
大手の書店では客が自ら書籍の在庫検索ができる端末を用意していることもありますが、中小店舗でその端末がおいてあることはまれです。
そこでお客様が頼りにするのが店員です。
たいていの本屋はPCで在庫管理を行っていますので、店員専用の端末で在庫検索を行い在庫があれば店内から探し出し、在庫がなければ取り寄せの手配をします。
お問い合わせはレジにいようが売り場にいようが避けられない業務です。
レジに慣れてきたころから任されるようになるでしょう。
売り場業務
レジに慣れてきたころから任されたり、任されなかったりします。
大店舗でははっきりとレジ専門、売り場専門と担当が分かれていることも多いです。
逆に中小店舗ではレジと売り場を兼任することも多いです。
大体の店では売り場の在庫管理を一任されている人がいますが、その多くは社員です。
バイトはその社員の補佐をすることがほとんどです。
しかし、社員だけで売り場をカバーできない場合、ある程度経験を積んだバイトに一部を一任することもあるようです。
在庫管理・発注
自分の売り場を目で見て、データを確認し、「いま売れている商品や次に売れる商品は何か」を考えながら書籍の発注を行います。
その逆に「売れていない商品は何か」を考え、返品に回すこともあります。
世間の流行、ニーズを日々取り入れながら売り場を作っていくので、日ごろから色々なことにアンテナを張り巡らせる必要があります。
出版社の営業との打ち合わせ
本屋には定期的に出版社の営業がやってきます。
その出版社の書籍で売れ筋のものや新刊などを宣伝してくれます。
が、店舗のカラーに合わない書籍を大量に入荷させようとしてくることもあります。
そんな営業をうまくかわしたり、時には受けたり……。
自分の売り場のため、細かな駆け引きをします(笑)
品出し
流通にもよりますが、大体その日の新刊はその日の朝に届きます。
届いた段ボールをひたすら開封し、不備がないか確認しながら売り場に並べます。
ディスプレイもその時に考えながら品出ししていきます。
雑誌の紐かけ、コミックのビニールかけ
そのままの通り、雑誌に紐をかけます。店によっては輪ゴムのことも。
付録が落ちるのを防止したり、過度の立ち読みによって本が傷むのを防止したりするためにかけます。
コミックにかかっているビニールも店員がかけています。
シュリンクと呼ばれているもので、専用の機械があります。
ひたすらビニールにコミックを入れ、機械に通します。
コミックは毎日のように大量に入荷されますので、コミック担当になるともれなく終わりの見えないシュリンク作業がついてきます。
返品作業
本屋で一番の重労働です。
売れなかった本は出版社に返すことができる(一部除く)ので、返す予定の本のバーコードをスキャンしながら段ボールに詰めていきます。
私は返品作業をしたことがないのですが、担当者曰く「腰がやられる」「でも段ボールに本が綺麗に収まったときの達成感ハンパない」とのことでした。男性が任されることも多いようです。
以上が本屋での主な仕事内容です。地味な仕事ばかりです。
今から本屋バイトを始めようと思っている方は、レジ打ちからスタートする、ということだけ頭に入れておきましょう。
給料
基本的にはその地域の最低賃金スレスレです。
というのは出版業界の利益算出によるものが大きいのですが、本屋で働きながら高給取りを目指すのは非常に厳しいです。
本当に本が好き、本屋で働くのが好き、という方でないと仕事と給料の比が釣り合わないと思います。
面白さ
仕事は地味、給料は低い……そんな本屋でのアルバイトですが、なぜそれでも本屋は人気のアルバイトなのかについて、私や本屋店員仲間の意見をまとめました。
やっぱり本が好き
本屋はその名の通り、あたり一面が本で囲まれています。
「本の表紙をひたすら眺めるのがすき」
「本のにおいがすき」「本の手触りがすき」
…といった本フェチにはたまらない環境でしょう。
本の話をするのが好き
本屋店員は大なり小なり本好きが多いです。
好きなジャンルにも色々あります。
推理小説がすき、経済書がすき、コミックがすき……
などなど、自分と同じ趣味を持つ仲間がたくさん集まります。
そういった仲間と、本の話ができるのは非常にいいものです。
趣味仲間がたくさんできると、自分の生活にもいいスパイスを与えてくれます。
また、お客さんも本が好きな方が多いです。
中にはお喋りなお客さんもいて、問い合わせの最中にオススメの本を紹介してくれることもあります。
新しい本にたくさん出会える
本屋店員になると、客として本屋に通うよりはるかにアンテナの精度が上がります。
品出しはもちろん、レジで会計をしているだけでもお客様が面白そうな本を持ってきてくださることもあります。
また、人気の本がどんな本なのかもすぐに分かるため、質の良い本を読める確率がぐっと上がります。
社割で本を少しだけ安く買える
基本的に本には割引制度がありません。
ですが、店員になると社割を使えるところが多いです。
値引き率は10%~5%程と低めではありますが、それでも値引きのない本を市場価格より安く買えることは大きなメリットです。
雑誌の付録がもらえる店舗もある
これはあまり大きな声では言えませんが、雑誌の付録が貰える店舗もあります。
雑誌を返品するときに付録は全て処分して返品しますので、処分予定の付録を持って帰ることができます。
特に女性誌の付録は年々豪華になっていますので、女性にとっては嬉しいシステム(?)だと思います。
店員、客ともに穏やかな人が多い
これは本当にその通りだと思います。
本屋店員は本オタクが本当に多いからか、気質も穏やかで真面目な人が多いです。
ちなみに私の店舗は8割が何かしらのオタクです。みんなとても穏やかです。
お客様も、酔っぱらって本屋に来る人はほとんどいないので、穏やかな方がほとんどです。
いわゆるクレーマーがくることはめったにありませんし、クレーマーはもれなく他のお客様から冷ややかな視線を受けます。
ミスさえしなければ、毎日穏やかな気持ちで業務に取り組めます。
以上、本屋アルバイトの仕事内容、給料、やりがいなどについてのご紹介でした。
まとめると、
仕事内容:レジ業務か売り場業務
給料:最低賃金スレスレ
やりがい:本が好きなら天国
といった感じでしょうか。
本屋は慢性的に人手不足です!
「やってみたいな~」と思っている方がいらっしゃいましたら、是非勇気と興味を持って応募してみてください。
本屋店員一同、あなたの入店をお待ちしています。