抜け出せメランコリー

うつ病のしまによる雑記ブログ

現役書店員がアニメ『ガイコツ書店員本田さん』を見た感想

amazonプライム・ビデオを漁っていたところ『ガイコツ書店員本田さん』という書店員心をくすぐるアニメが配信されていたので、視聴してみました。

今回はその感想です(最新話まで視聴しました)。


 

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あらすじ

 

 ガイコツ書店員本田さんがお送りする、
爆笑必至のお仕事エッセイコミック、待望のアニメ化!!

本田さんは戦う!! 業務と!! 絶版と!! マンガを愛する人々と!!
コミック売り場がこんなに笑える職場だなんて聞いてない!? とある書店のコミック売り場から、マンガ愛をふんだんにこめた日報をお送りします。

 TVアニメ「ガイコツ書店員 本田さん」公式サイトより

 

 

感想:書店員あるあるが大量!

 

はじめの「書店員ってどういうイメージですか」にあるある

 

「優しそう」「穏やか」「にこやか」「おしとやか」

あるある~!うちの店は「穏やか」「おしとやか」の比率は少ないけれど(当てはまるのは店長♂くらいかもしれない)、「優しい」「にこやか」な人はたくさんいます。

「優しい」なんて正にその通りで、もうみんな優しい。後光差しまくりですからね。初っ端から書店員の”あるある”を見事についてきてます。

 

「黒髪でメガネで巨乳」「男子ならメガネでひょろひょろ」

いる。どっちもいる。「黒髪メガネ巨乳」が入ってきた時はみんなざわついた。うちの数少ない男子ももれなく「ひょろメガネ」です。どこの本屋もそんなもんなんだね。

そりゃあ「優しくて穏やかでにこやかでおしとやかで黒髪でメガネで巨乳」なんて店員さんが実在するようなところだから、『本屋の店員を落とす方法』なんて訳のわからん記事がバズるのも納得ですな。

ちなみに期待の新人だった「黒髪メガネ巨乳」は超BL好きでオタサーの姫感MAXな子です。相当な人見知りっぽいので、コミュ障の私はまだそこまで交流できてません。

 

「暇そう」「刺激が少なそう」

前者に関しては、これは日によるとしか言いようがない。

本田さんは後者の「刺激が少なそう」というイメージに対して「そんなことないよ!」と刺激的な本屋の日常を公開していきます。この『本屋の刺激的な日常』が話の筋になっていくわけです。

この『ガイコツ書店員本田さん』というアニメは、本屋って別に退屈なわけじゃないんだよ。っていう裏側をガンガンと公開してくれるアニメなのです。

 

一番はじめに一般的な「書店員のイメージ」を持ってくることで、視聴者の心を一気に掴んだなと思います。

 

 

ちょっとしたつぶやきも書店員あるある

「Vジャンプなんでこんなに聞かれるの?」

「付録が人気っぽくて……」

「この前全冊買いあったから一人2冊まで」

 

この会話、書店員からしたら超あるあるじゃないですか?Vジャンプ怖い。

うちの店に限ったことじゃないですが、メディア化した作品とか、TVで紹介された作品とか、そういうのは本当によく売れるので、店員もいろいろアンテナ張ってます。

たまに「ついさっきのTVでやってた本なんだけど~」なんて問い合わせがあった日には一瞬で情報共有されます。(っていうか「ついさっきのTV」って問い合わせは鬼。シフト入ってるのにTV見てるわけないでしょ)

こんな風に、本筋とは関係ないような何気ない会話一つとっても「書店員あるある」なので、書店員からすると少しも見逃せないです。

 

BLの多様化に超あるある

第1話では主にBLコミック売り場でのあれやこれやが描かれています。

娘に薄い本の購入を頼まれた外国人のおじさんとか、本田さんにオススメのBLコミックを聞く外国人のお姉さん方とか、お客さんは非常にグローバルな感じです。

おじさんに見せられたスマホ画面に映し出されていたのが薄い本だった時の本田さんのあたふたっぷりが見てて面白かった。私は今のところ経験ないですが、あんなもの見せられた日にはきっと本田さんのようにあたふたしてしまうんだろうな。

さすがにうちは本田さんの店ほどグローバル化は進んでいませんが、今って本当に多種多様な方がBLコミックを買っていかれるんですよね。女子はもちろん、おじさんや男子高校生がBLコミックをレジに持ってきても全く動じなくなりました。BLの力ってすげー。

 

 

書店員は見てみるといいかもね

あるある~!って思わず言ってしまうような一コマが必ずあるはず!のアニメです。

モデルになっているのは割と大規模な店のようですので、中小店とは少し違う雰囲気も感じますが、お客さんとの会話とか店員の裏話など、書店員は誰しもが経験したことのあるような話が一つはあります。

最新話まで見た感想としては、主に本田さんが経験してきた修羅場を描いていることが多いかな、という印象です。なので、書店員ほど共感しながら楽しめるアニメなのではないでしょうか。

内容に関してはレジカウンターでの世界よりも品出しの世界が多く描かれています。出版社さんとの攻防とかね。書店の品出し事情を知っていれば知っているほど楽しめると思います。

とはいえ、本屋用語がたまに出てくるものの丁寧に解説をつけてくれているので新人書店員が見ても色々と勉強になるのでは。もちろん、書店で働いていなくても、書店が好きな人なら「書店ってこんなこともしてたのか~」とクスっと笑える話が結構ありますよ。

 

現実の書店の世界に結構忠実でした

少なくとも、うちの店はこんな感じの日々を送っています。規模が小さい店なのでもう少し平和な環境ではありますが、それでも大型タイトルコミックの発売日はレジもバックももれなく修羅場だし、たまに度肝を抜くような問い合わせもくるし。

「本屋さんの仕事って、なんだかお気楽な感じ」なんて思っている人にはこのアニメを見せてそんなことないよ、って言いたいし、「アニメの世界だから誇張してるだけでしょ」なんて思っている人には、現役書店員が超あるあるって思いながら見てるよ、って言いたい。

 

まとめ

書店の裏側を知りたい人は是非見て頂きたいアニメです。

このアニメを見て「あぁ、本屋に行きたいなあ」と思ってくれる人がいたらいいな。

 

放送日や放送局の詳細は公式サイトへどうぞ。

 

おまけ:本田さんの性別は?男性?女性?

アニメでは男性声優の斉藤壮馬さんが本田さんを演じていらっしゃるので、男性かと思いきや、原作のpixivコミックでは女性であるような描写がされています。

 

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なので、アニメの本田さんは男性、原作の本田さんは女性、という設定で描かれているのでは。ただ、正直性別は関係ないですね。性別:書店員みたいな感じで見てほしいです。

 

あまり期待値は高くなかったアニメですが、楽しく見ることができました。最新話も楽しみにしています。